【台湾】日本を超える山岳王国! 旅人の冒険心を刺激する「9つの国家公園」

アジア大陸東南の沿海、太平洋の西に位置する台湾。総面積は約36,000平方キロメートルで、日本の九州ほどの広さだが、全島面積の3分の2が高山や林地で、東北アジア最高峰の玉山(ぎょくざん、3952m)をはじめ、2000~3000mを超える山々がそびえる山岳王国であることを知る人は少ない。

今回はそんな台湾にある9つの国家公園を紹介したい。立霧(タッキリ)渓によって切り出された太魯閣(タロコ)国家公園の渓谷風景、東北アジア最高峰を誇る玉山、「世紀の奇峰」と呼ばれる大覇尖山と火山帯・火口湖などの景観が保護されている陽明山国家公園大屯(だいとん)火山群、南国のムードに満ちた墾丁国家公園など、美しく珍しい風景が各所に散らばり、ぜひ歩いて旅したいスポットだ。

1.太魯閣(タロコ)国家公園

タロコ渓谷 九曲洞

「アジアのグランドキャニオン」とも呼ばれ台湾随一の絶景ポイントとして知られるタロコ国家公園は台湾中部、花蓮県の山部にあり、南北に約38Km、東西に約41Km、総面積は9万2000ヘクタールに及ぶ。タロコ地域は、台湾の中・東部の主要河川にあたる大甲渓、木瓜渓、濁水渓及び立霧渓の水源にあたるところで、山は北東から南西に走る主要山脈を主幹として両側に若干の支脈を伸ばしている。背骨にあたる主要山脈は、北から南に順に、南湖大山、中央尖山、無名山、鈴鳴山、畢緑山、合歓北峰、合歓東峰、奇來主山北峰、奇來主山、奇來主山南峰など標高3000mを越す山岳を連ね、奇來北峰から東へ更に太魯閣大山、帕托魯山支脈につながり、国立公園の南の境界まで続いている(台湾「百岳」のうち27岳がタロコ国立公園内にある)。その中でも太魯閣の最高峰3742mの南湖主峰は台湾五嶽(嶽=霊山)のひとつにあげられ、南湖大山と中央尖山、それにこの二つの山を結ぶ稜線は最も雄大かつ壮麗で、帝王と呼ばれている。奇來連峰は、切り立った断崖地形と季節、日夜を問わず急に天候が変わることから登山愛好家の間では「黒い奇來」と恐れられている。

2.玉山国家公園

玉山東峰(左・3,869m)と玉山主峰(右・3,952m)

1985年に国家公園に指定され、玉山を中心に南投、嘉義、花蓮の三県と高雄市にまたがる、103,121ヘクタールに及ぶ生態保護区として設定された。玉山は、標高3,952メートルで、東北アジアの最高峰であるとともに、台湾本島・中央山脈の盟主として君臨している。この秀姑巒山から玉山群峰に至るまで3000m級の峰々が連なり、台湾の屋根を形成している。
この一帯は、台湾でもっとも古い地層構造を持ち、切り立った断崖と深い渓谷が見事な景観を造り出している。針葉樹から広葉樹へと広がる広大な樹林帯は、野生動物の宝庫となっており、エリアはそのまま生きた自然教室となっている。一方、清代に登山路として切り開かれた八通関古道などの遺跡もあり、歴史も感じることが出来るスポットだ。

3.陽明山国家公園

陽明山国家公園

陽明山国家公園台北市街に隣接し、大屯火山群からなっている国定公園で、古くは「草山」と呼ばれていた。北投、士林、淡水、三芝、石門、金山、万里など広範囲にまたがっており、のちに「陽明山」と改められた。火山活動によってできた円錐状と吊り鐘状の火山体、火口湖、イオウガス噴出口、地熱、温泉など、さまざまな表情を持ち、トレッキングに最適。また、季節風の影響を受け、高原、草原、広葉樹林、亜熱帯雨林、雨水植物の群落などの植物群系を形成し、これらの生態環境が台湾水ニラ、大屯ホトトギス、チョウや鳥などを育んでた。陽明山公園は台北の夜景スポットとしても有名で、ここから眺める台北の街はネオンがきらきらと輝き、まるで絵巻物を見ているような美しさだ。

4.雪覇国家公園

奇峰・大霸尖山

1992年、台湾で五番目の国家公園に指定された。園内には、雪山山脈を中心とし、新竹県五峰郷尖石郷、苗栗県泰安郷及び台中市和平区が含まれる。公園内には3000m級の高峰が連なり、雪山(台湾第二の高峰)、大覇尖山(世界奇峯の異名を持つ)、武陵四山(品田山、池有山、 桃山、喀拉業山)、剣山、大雪山などが含まれる。登山客に人気のエリアで観霧、苗栗と武陵農場の3ケ所に登山口がある。
台湾で最大面積を持つ玉山ヒノキ林、世界でも雪覇にしかないホウセンカの一種、200万年前から存在していたという台湾クスノキ、台湾黒熊、台湾鱒など、園内では、世界でも台湾にしかない絶滅寸前の生態や動植物の棲息が確認されている。

5.墾丁国家公園

墾丁海岸

屏東県(へいとうけん)内にある墾丁国家公園は、1984年1月に台湾最初の国家公園として公開された。三方を海に囲まれたこの公園の範囲は、陸と海域まで及び、100万年以上に及ぶ地殼運動作用により陸地が海洋による侵食を受け、珊瑚礁、海蝕地形、絶壁など非常に珍しい地形が見られる。また熱帶気候のために多様性豊かな生態に恵まれ、海岸樹林帶に繁殖する植物は希少性が高く、そのために多くの渡り鳥が北方から飛来しては越冬する。南湾、龍鑾潭、貓鼻頭、関山、白砂湾、後壁湖、萬里桐、鵝鑾鼻公園、社頂自然公園は園内の主な観光スポットとなっている。

6.金門国家公園

金門 民族文化村

中華民国政府が統治する島であり、ひとつの県でもある金門群島は、西は中国大陸福建省アモイを間近に望み、東は台湾海峡を隔てて台湾本島と150海里の位置にある。
亜熱帯の季節風気候に属する金門は、毎年9月から4月にかけては強い東北の季節風が吹く。年平均気温はおよそ21度で、極端な暑さ寒さは滅多にない温暖な地域だ。島は主に花崗片麻岩からなり、島東にある標高253mの太武山が最高点になっている。ここに源を発した渓流は幾つかの人口湖に流れ込み、これらの湖水は、飲用水として供給される以外に、金門の風景に彩りを添えている。

7.台江国家公園

四草湿地のマングローブ

台湾本島の西南沿海に位置し、台南市の沿海にまたがる台江国家公園は、2009年に台湾における八番目の国家公園として設立された。園内を流れる七股渓、曾文渓、鹿耳門渓、鹽(*塩)水渓の四本の渓流は、総面積4,905ヘクタールに及ぶ世界的な規模の湿地を形成している。園内にはクロツラヘラサギ保護区(黒面琵鷺保護区)や七股潟湖があり、また変化に富んだ海岸沖積地形と昔ながらに使われている航路など、自然と人文、歴史、伝統産業などの文化的景観が見られる。園内海域にあたる部分は、その昔中国大陸の漢人が台湾へ渡航する際の航路上にある東吉嶼と鹿耳門がある。海陸をあわせた総面積は39,310ヘクタールで、その大部分はここ百年来「台江」と呼ばれてきた。またマングローブと湿地で形成される自然生態景観は、まるで台湾西南沿海に刻まれたエメラルドの如くだ。

8・9.東沙環礁国家公園、澎湖南方四島国家公園

2007年、南シナ海の東沙(プラタス)諸島に設立された東沙環礁国家公園は、3つの珊瑚環礁「東沙環礁」、「南衛灘環礁」、「北衛灘環礁」が存在し、海洋生物と渡り鳥の移動にとって重要な中継点となっている。また2014年に台湾の西側、台湾海峡にある多数の小さな島々からなる澎湖(ポンフー)諸島に設立された澎湖南方四島国家公園は、重要な海洋生態系や地質の宝庫であり、魚類資源が集まる漁場となっている。

【写真・記事協力:台湾観光局】

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