河西祐史「ハイカーの話、トレイルの話」#05 ロングトレイルハイカーの妄想バックパック脳内検討委員会 (後編)

 

軽重量級
OSPREY(オスプレー) アトモスAG 65 OS50190 アブサングリーン M

このクラスになると、前面(背中から遠いほう)がガバッと開いて「中身が見える」バックパックが出てくる。昔はコレが当たり前、のデザインで、慣れた人には捨てがたい機能だろう。オスプレーでは、前面ポケットがもっとスッキリしたAetherというモデル(サイドジッパーで主気室にアクセスできる)も人気だが、重量を比べてみるとこちらの方が軽い。どちらもよくアメリカのロングトレイルで見かけるが、ロングディスタンスでは少数派か。

 

[グレゴリー] ズール55 Sサイズ フェルドスパーグレー
ZuluはZシリーズの後継モデル、のはずなのだが、コレとスタウトを見てはっきり分かるのは、グレゴリーもとうとう軽めのモデルで前面ポケットを簡素化したということだ。それでも前面がガバッと開く、を残したのがズールー。つまり重い方から考えると名作バルトロは縦にジッパーで開く前面ポケット付き、ポケットが無くなればズールー 、主気室への前面からのアクセスを無くせばスタウト、トップリッドを取り外せるようにすればパラゴンというラインナップになる。

 


ミステリーランチ MYSTERY RANCH Stein 62 Cobalt Mサイズ

アメリカでもチラホラ店頭に現れてきているミステリーランチ。実は、ミリタリーやハンティングのギアを扱う店では定番。
スタインは取り外してデイバッグになるトップリッドがなんだか不思議な形をしているが、ロングディスタンスで歩いているとバックパックを背負ったまま頭の後ろのジッパーを開けて中身を取り出すハイカーが結構いる。このトップリッドはそれを考慮しているのかなと思う。個人的には、ボトムを左右からコンプレッションする機能が面白い。寝袋や保温ジャケットの類いは、昔に比べて随分小さくまとめられるようになった。重量バランスを考えると「下が小さくなる」機能があってしかるべきなのだが、自分が愛用してきたドイターは下の気室の容量が全く変わらない(隔壁を解放して上下の気室を一つにすることはできる)。グレゴリーやオスプレーは下の気室がまあまあ狭く、隔壁は取り外せるのだが、重量バランスを上にできる訳ではない。そう考えるとミステリーランチのこの機能は面白い取り組み。

 

中量級と軽重量級は、重量級の名作を簡素化したモデルになりがちだ。自分としては、当分の間は
1、前面はメッシュポケットのみ
2、上と下から内部にアクセス
3、トップリッドは取り外せる
4、フレームあり
5、背中の通気を保つ機能あり

というあたりが現在のトレンドで、しばらく同じような機能のバックパックを各社が出し続けるのではないかと思う。
2013年にPCTを歩いている時、ドイターのエアコンタクトをハック(改造)して、トップリッド無しにして上の口をロールトップにしているハイカーがいた。今回検討した中量級のモデルはみんな紐で口を絞るようになっているから、この辺はまだ変わってくるかもしれない。

妄想の結果、軽重量級のフォルムを保ちつつ上手く軽量化したオスプレーのボルトと、思い切った攻めの軽量化に出たグレゴリーのパラゴンに絞りました。
最終的に、購入したのはパラゴン68。小さくスッキリするのでパラゴン58も魅力的だったけど、S/Mサイズは55リットル相当なのでちょっと小さい。自分はバックパックの外にいろいろ吊るしたりしがちなので、ココでちょっと大きめにして中にバンバン荷物を放り込むスタイルにチャレンジしようかと。昔、GoLiteの70リットルを使ったことがあるけどそんな感じになるか。そして容量が余ったらトップリッドを無くすことも検討します。

ただし、ココで日本のみなさんにお伝えしなければならないことが……。パラゴン68は、日本では定価3万6,720円(税込)なのですが、アメリカでは税抜き定価が250ドル。自分は2割引セール(毎シーズン必ずある)で、本体200ドルプラス税の216ドルにて入手しました。そしてボルト60は定価180ドル、75は200ドル。2割引なら144ドルと160ドルだから、3万6,000円出すつもりならパラゴンとボルト両方買えちゃうってことなんです。正直、帰国時に自分へのプレゼントとして買ってしまうかもしれません。

ということで、しばらく使い込んだらパラゴンのレビューを書きます。軽量化して、果たしてハードな使用に耐えるタフさは保たれているのか?という視点から、ヘイデュークトレイルで使ってみるのは最高のテストだと自分では思っています。妄想から現実へ、いざ実践!

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